考えごと

散歩、ポエム、むらさき。

怠惰礼賛

 尊敬に似た畏怖。尊敬に似た卑屈。胸の底から湧き出るニヒルを可能な限り無意識の方へ押し遣って理性的に拵えた尊敬を建前にするが、結局ニヒルを正当化し主観的な価値判断を主観の名の下に確定する。そういう独善的な態度に嫌悪感を感じているが、過剰な道徳心は身を亡ぼすというのは心得ている。しかしながら、気にしないことを気にするというのは禅問答のようであって、葛藤というのは難しい。…道徳心というのは半分は嘘で、実際は卑屈から来るものであるから自制心を高く持つこと。所詮は自己実現の矛盾である。怠惰の快楽と苦痛は非情である。快楽と苦痛をパッケージしてしまうこと程罪深い事はない。生や性というものが初めから快楽と苦痛のパッケージであるから人間の情動もそれに倣うという訳か。しかし私には、怠惰を愛せる人間の方が生き生きしているように感じられる。